http://www5e.biglobe.ne.jp/~kutcheri/インド舞踊家の私のインドと日本での見たり、聞いたり、考えたり

by kuchipudi-keiko

最初のグルにいただいた言葉

私が、インド舞踊を始めたのは結構遅くて20代半ばでした

最初、バラタナティヤムを日本で習い、
ほどなくして、インド旅行で魂をグッと掴まれた芸術「クチプディ」を本格的に習う為に
インドに渡りました

私のインドの最初の先生は1日中クラスをとっていらっしゃる先生で
私は師匠の家に住み込ませていただいて(個人、グループあわせて)毎日、約5~6時間の練習と
ご飯とカッチェリと寝る時間を除いたら、他のダンサーの練習を見学させていただたり
部屋でノートをおこしたりと、ともかく踊り漬けの忙しくもハッピーな毎日をすごしていました


そんな私がカッチェリ(コンサートの事)に行って、うちに戻ってくると
必ず師匠が聞きます

「どうだった?」


何かちゃんとした事を言わなくてはいけません(と、なぜか勝手に思っていました)

私は日本からインドにダンス留学わざわざしているわけなのですから


「えーーーっとぉ」

「ん?何のアイテムやったの?」

「えっと、バルナムとぉ、ティラーナと。。。ムニャムニャ」

「何のバルナム?ラーガは?ターラは?」

「あの。。ラーガはわからないですが」

「歌ってみて♪」

(ラーガも知らない人に無理いわないでくらさい。。。。)

「もしかして、これ?これ?」といって色々な曲のパッラビを歌いはじめる師匠

(あ。。。。あ。。そうかも。。知れないし、違うかも。。。。。です)



師匠というものは、生徒のレベルはわざわざ言わなくてもわかっているものです

何だか全部あやふやで、ともかく眼をまんまるくしてコンサートを観ていただろう私に師匠は言いました



「で、カッチェリどうだったの?」

(ここです。何か言わなくては!!)

「あの、アラマンディーが綺麗でないし、アビナヤもいまいちだと思いました」

(言いましたよ~とりあえず知っているワードつかって・・・・・何とか)

実際の話、どの曲をやっているかもわからないのにアビナヤがどうのこうのなんて
おはずかしいお話です。。。トホホ

使用されているハスタ(手の形)から内容を瞬時にくんでいく事も
初心者にはとても難しい事です


優しい師匠は一生けんめいに何か言おうとしている私のプライドを傷つけないように言いました

「で、踊りは楽しかったの?」

「ま、楽しかったですけれどもぉ~」

何となく不満そうなわたしの顔を見て師匠は言いました

「踊り好きなの?」

「も、もちろん、好きです!!」

「だったら、踊りを楽しみなさい」

「ダンサーの踊りがいけていないのなら、音楽を愉しみなさい。

 オーケストラもだめだったらダンサーのコスチュームやオーナメントを愛でなさい。

      それもダメだったら、さっさと家に帰ってきなさい」


師匠は最後に私の眼を見て、微笑みながらもう一度言いました



「踊りを楽しみなさい。それが重要」




はぁ~

ツキモノが落ちました☆☆★☆


全くあたりまえの、自分とアートの間によい関係性を築く時の大原則ですね


今でも、時にとっても一生懸命になりすぎて、何かを忘れそうになった時
必ずあの日に戻って師匠からいただいた言葉を思いかえすように心がけています
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by kuchipudi-keiko | 2010-10-01 10:16 | インド舞踊